3大キャリアから格安SIMへの乗り換えを考える場合、その筆頭候補として上げられることが多いUQモバイルとY!mobile。
ここではこの2つの格安SIMを通信速度・月額料金等で比較し、それぞれがどんな人におすすめか、解説致します。
格安SIMが増加する背景
3大キャリア(docomo・au・Softbank)のいずれかから契約先を見つける以外、スマートフォンを持つことがほとんどできなかった時代もありました。
しかし現在では、スマートフォンに参入する仮想移動体通信事業者(MVNO)が増えたことで、選択肢が大幅に増えています。
MVNOは独自の通信設備を持たず、大手キャリアの回線を間借りして運営を行うことで、大手キャリアと比較して大幅に低い料金を実現。
シェアを拡大していますが、一方でそのことが、通信速度の遅さと回線の不安定さというネックにもなっています。
そんな格安SIMの中でも、通信速度と回線の安定性で定評のある格安SIMが、UQモバイルとY!mobileです。
UQモバイルとY!mobileが回線・通信速度の面で品質が高い理由
UQモバイルとY!mobileが、他の格安SIMと比較して回線品質が高い理由は、それぞれが大手キャリアのサブブランドの格安SIMであるという点にあります。
UQモバイルを運営するUQコミュニケーションズはauと同じKDDIのグループ会社であり、Y!mobileの母体となったイーアクセスはソフトバンクに吸収合併されています。
UQモバイルとY!mobileは、大手キャリアが運営する格安SIMであることから、回線の使用に関して他よりも優遇を受けられるという利点を持っています。
そのことによって、他の格安SIMと比較し、高い回線品質を武器とすることが可能となっているわけです。
UQモバイルとY!mobileの特徴とメリット・デメリットを比較
UQモバイルとY!mobileの特徴や、メリットとデメリットを比較してみました。
UQモバイルの特徴とメリット・デメリット
UQモバイルは、auと同じKDDIグループに属しているMVNOで、使用する回線はau回線となっています。
使用できる端末もauと共通するものが多く、auから購入した端末でも使用可能なものがあります。
若年層の顧客に人気の高いMVNOです。
UQモバイルを利用するメリットには、次のようなポイントが挙げられます。
通信速度と回線の安定性の評価が高い
UQモバイルはauと同じKDDIグループの会社が運営していることから、auから優先的に回線を割り当てられています。
系列以外の格安SIMよりも通信速度と回線の安定性が高くネットの混雑時にも通信速度の低下がほとんど見られません。
顧客満足度の高さからも、UQの回線品質の高さを伺うことができるでしょう。
どうしても格安SIMは通信速度が遅いことからサブ用途で使用されることが多いですが、UQモバイルの格安SIMは十分メインとして使用できることが大きなポイントとなっています。
料金プランが豊富で使い方に合わせて選択できる
UQモバイルにはデータ容量別に3種類の「スマホプラン」(S・M・L)があり、通話オプションとして24時間いつでも使える他、1回10分、月60分それぞれ国内通話がかけ放題・定額となるオプションが選択可能です。
また、データ専用プランとして「データ高速プラン」と「データ無制限プラン」が用意されており、ユーザーの使い方に合わせた料金プランを選択することが可能です。
メインで使用するスマートフォンとしてだけではなく、サブ用途などとしても契約しやすいことが特徴となっています。
「家族割」・「学割」が使える
料金が安いことが格安SIMの最大のメリットですが、それに加えて、UQモバイルには「家族割」と「学割」があり、料金面で更にお得に利用することが可能です。
「UQ家族割」は家族で契約した場合、2回線目以降の基本料金が毎月550円(税込)割り引かれるサービスで、最大9回線まで契約することが可能です。
ただし、「UQ家族割」の利用には決まったプランへの契約が必要である他、申込みはショップか取扱店に行くか。
電話でしか行なえません(ネットからの契約はできない)2020年に向けて新設された「学割」は学生でなくても18歳以下で申し込めば最大1,100円(税込)の割引が受けられます。
データ容量のくりこしやチャージが可能
月のデータ容量を使い切らなければ、余ったデータ容量を翌月に繰り越すことが可能です。
また、データ容量を使い切ってしまっても、100MBで220円(税込)、500MBなら550円(税込)で追加購入が可能となっており、データ容量のやりくりがしやすくなっています。
また、UQモバイルには「節約モード」と呼ばれる低速モードへの切替機能があるので、SNSなどの軽いデータ通信での使用では、データ容量の消費をゼロに抑えることができます。
通常のブラウジングでは節約モードで使用し、必要な時だけ高速モードで使用すれば、コストを抑えてネットを利用することができます。
スマートフォン本体を割引特典付きで購入できる
キャリアでは、契約に際しスマートフォン本体を購入することが一般的ですが、格安SIMでは、SIMカードのみの販売ということも多く、スマートフォン本体は別個購入するか、キャリアで使用していたものを継続して使用する必要があります。
SIMフリーの端末を使用する場合は、面倒な設定を自分で行う必要も出てきます。
UQモバイルでは、SIMと端末のセット販売で購入することが可能です。
取り揃えられている機種も豊富で、特にiPhoneを購入できることは大きなポイントといえるでしょう。
残念ながら取り扱われているiPhoneは2020年2月現在、iPhone 6sとiPhone 7のみとなり、最新機種は販売されていませんが、iPhoneを格安SIMで使えるというのは、他社に対するアドバンテージであることには間違いありません。
音声通話付きプランには2年縛りがある
UQモバイルの大きなデメリットのひとつが、音声通話付きプランの場合、2年縛りがあるという点です。
端末とセット購入する場合も同様で、解約月以外の解約では違約金が発生します。
最低でも2年間はUQモバイルを使うこととなるため、短期間で乗り換えを考えている方には使いにくい格安SIMであると言えます。
逆から見た場合、長期間UQモバイルを使うつもりであれば問題ではないとも言えます。
auからの乗り換えの場合、月額料金が高い
KDDIグループの方針としてなのか、auからUQモバイルへの乗り換えをなるべく抑えたいという節があります。
そのため、他キャリアからのMNPと比較し、auからの乗り換えでは月額料金が高くなってしまいます。
現在auで組んでいる料金プラン次第では、UQモバイルに乗り換えてしまうと、結果的に損をすることもあるので注意が必要です。
なお、MNPを使用しない新規契約であれば料金は他キャリアからの乗り換えと同じになりますが、現在使用している電話番号が使えなくなることも大きなデメリットとなります。
データ容量のシェアができない
UQモバイルには「家族割」という、家族で使用することで安くなる割引のサービスがありますが、一方で家族でデータ通信容量のシェアファ可能になるサービスはありません。
家族で利用する客のために、家族間のデータ容量シェアのようなサービスが提供されれば、もっと使い勝手がよくなると思われます。
Y!mobileの特徴とメリット・デメリット
Y!mobileは「イーモバイル」ブランドの展開を行っていたイーアクセスが2014年にPHS事業者であったウィルコムを吸収合併し立ち上げたブランドです。
ソフトバンクに吸収合併され、現在はSoftbankのサブブランドに位置づけられる格安SIMとなっています。
格安SIMとしては通信回線の品質が高い
上述の通り、Y!mobileはSoftbankのサブブランド的な格安SIMであり、使用回線もSoftbankとなっています。
他の格安SIMと違い、サブブランドとして回線は優先的に割り振られるので、結果的に回線の通信速度や安定性では、キャリア系列以外のMVNOの格安SIMを上回っています。
特に、ネットが混雑しやすい平日の昼時や夜間でも格安SIMにありがりな通信速度の低下も見られず、快適にネット利用できることは大きな強みです。
シンプルな料金プラン
大手キャリアのスマートフォンの問題点としてしばしば挙げられるのが、料金体系の問題です。
料金プランが複雑すぎて、自分に合ったプランを選ぶことが難しく、結果不要なオプションを付けてしまい、料金が必要以上に高くなることは珍しくありません。
格安SIMでも同じ問題を抱えている会社もあります。
その点、Y!mobileの料金プランはデータ容量の違う3プランのみとなっており、誰でもひと目見て各プランの違いが理解でき、選択も容易であることが強みとなっています。
スマートフォン初心者にも使いやすいMVNOといえるでしょう。
iPhoneを安く使うことができる
UQモバイル同様、Y!mobileでもiPhoneの取り扱いを行っています。
2020年1月現在、Y!mobileで取り扱われているiPhoneはiPhone 6sと7となっています。
UQモバイル同様、最新のiPhoneは取り扱っていませんが、その分価格も抑えられているので、コストを抑えてiPhoneを使いたいユーザーにとっては魅力的といえるでしょう。
iPhoneは専用SIMを使用するため、他の端末では使用できない場合があることに注意が必要です。
無料でSIMが追加できるプランがある
格安SIMをサブ用として利用する人が増え、一人で2台以上のスマートフォンを運用する人が増えていますが、Y!mobileの「シェアプラン」では、特定の基本プランを契約することで、最大三枚までUSIMカードを追加することが可能です。
つまり、サブとして運用する端末に個別に回線を用意する必要がないわけです。
更に、親回線のSIMと子回線でデータ容量がシェアできます。
サブ用に運用するスマートフォンのためにわざわざ別会社と契約する必要がなく、非常に経済的でもあります。
大容量プランがない
Y!mobileのデメリットとしてまず上げることができるポイントとして、大容量プランがないということがあります。
2020年4月現在では高速データ通信容量が最大でも17GBとなっていますが、キャリアのデータ容量上限なしプランなどと比べてしまうと、やや心もとないと言えます。
動画や音楽のストリーミング配信を使いたい、という場合には容量不足となってしまうでしょう。
2年縛りがある
これはUQモバイルと共通するデメリットですが、Y!mobileにも2年縛りがあり、更新月以外の解約に違約金が発生するのも同じです。
最低2年以上に渡ってY!mobileを利用するつもりであれば問題ありませんが。
短期間の利用はしにくいというのが実情です。
ラインナップされている端末機種の中に、数年前のすでに型落ちしているモデルがあることも要注意です。
OSのアップデート等で、動作面の不具合が出る可能性もあります。
長期間Y!mobileを使用する場合は、機種選定にも注意が必要となってきます。
UQモバイルとY!mobileの気になる点を比較
UQモバイルとY!mobileの、メリット・デメリットの比較だけでは見えてこない違いについて比較してみましょう。
メリット・デメリットと合わせて検討材料にしてみてください。
回線の選択幅はどちらも同じ
MVNOの中には、複数のキャリアの回線に間借りして、どこの回線を利用するか選択ができる格安SIMもありますが、UQモバイルはau(KDDI)の回線、Y!mobileはSoftbank回線のみとなります。
どちらも自社グループのキャリアの回線しか使えません。
SIMロック解除はUQモバイルの方が若干利便性がある
UQモバイルの格安SIMは、au回線では本来使用できないdocomoやSoftbankで購入した端末を使用する場合には、SIMロック解除が必要となります。
auで購入したスマートフォンでも、iPhoneを始めSIMロック解除が必要となる機種もあるので、契約時には確認する必要があります。
Y!mobileでは、今使っているスマートフォン本体を使いたい場合は必ずSIMロック解除を行う必要があります。
どちらも原則SIMロック解除が必要ですが、若干、SIMロック解除が不必要な機種がある分だけ、UQモバイルの方が利便性があるといえるでしょう。
音声通話サービスの違い
UQモバイルの基本プランには、無料通話は含まれていません。
1回10分までの国内通話が無料になる「かけ放題」、月60分までの国内通話が無料になる「通話パック」、24時間国内通話がいつでも無料の「かけ放題(24時間)」の中からお好みの無料通話オプションが選択できます。
一方、Y!mobileでは基本プランに1回10分までの国内通話が無料になるサービスが含まれています。
何時間・何回でも無料になる「スーパー誰とでも定額」サービスも別途料金で用意されています。
通話サービスを自分に合わせて選択するならUQモバイル、気楽にスマートフォンを利用したければY!mobileが合っていると言えます。
留守番電話サービスはUQモバイルが有料、Y!mobileは無料
留守番電話機能は、UQモバイルでは有料、Y!mobileでは無料となっています。
UQモバイルの留守番電話サービスは、迷惑電話撃退・3者通話の各サービスとセットになった「電話基本パック」というかたちで提供されています。
Y!mobileでは留守番電話は申込み不要、月額無料となっています。
留守番電話機能自体を使わない、という人も多いかと思いますので、特に必要がなければなくても問題なさそうです。
データ容量の使い勝手はUQモバイル有利
UQモバイルでは2020年1月現在データ増量キャンペーンを展開しており、「かけ放題10分」もしくは「通話パック60分/月」の契約とauIDの登録があれば、データ増量を1年間無料で増量できます。
データ容量の翌月繰越の他、節約モードへの切替など、データ容量の消費を抑えた利用が可能です。
Y!mobileでもデータ増量キャンペーンを展開していますが、データ繰越や家族等とのデータ容量シェアというサービスはありません。
データ容量の使い勝手の面ではUQモバイルの方が有利です。
SIM追加はY!mobileのみのサービス
データ容量の使い勝手ではUQモバイルの方に利点がありますが、Y!mobileにはSIMと追加できる「シェアプラン」があり、他社の回線を増やすことなく、2台以上の端末を使うことが可能です。
例えば、テザリング機能付きのiPhoneを親回線とし、「シェアプラン」で子回線を増やしてタブレット端末を使う、といった利用方法で使用することが可能です。
光セットでの割引の有無
UQモバイルには固定の光回線とセット割引となるサービスがないので、自宅でau光を使っていたとしても、auスマートバリューの適用を受けることができません。
かわりにWiMAXとのセット割引となる「ギガMAX月割」というサービスがあり、WiMAXと同名義でUQモバイルに契約している場合は、公式サイトの「my UQmobile」から申し込みが可能です。
Y!mobileではSoftbank光、もしくはAirを利用していれば「おうち割光セット」の適用を受けることが可能です。
実店舗展開はY!mobileが優勢
auのグループ企業が運営するUQモバイルと、SoftbankのサブブランドであるY!mobileは、共に大手キャリア系列ということもあり、格安SIMとしてはかなり多くの実店舗数を誇ります。
取り扱い店舗数は全国でUQモバイルが2700店舗以上、Y!mobileは4000店舗以上あり、店舗数だけを比較するなら、Y!mobileの方が大きくリードしています。
通常の格安SIMは、店舗を持たないことでコストダウンを図っているので、UQモバイルやY!mobileが多数の店舗を持っているのは、さすが大手キャリアのサブブランドのことだけはあります。
ただし、格安SIMの契約申込みはネットの公式サイトでできるので、店舗数の多さはそこまで大きなアドバンテージにはなりません。
自分一人で申し込みをするのが不安な人、スタッフと相談しながら契約したい人にとってはありがたいサービスです。
実店舗での契約は割高になることに注意
UQモバイル・Y!mobile共通の注意点として、実店舗では殆どのキャンペーンが適用されずに割高な契約となってしまうことが挙げられます。
人件費の削減のため、基本的にはネットでの契約を増やす思惑があるためですが、各種の割引キャンペーンの適用を受けたいのであれば、契約は公式サイトから行った方がよいでしょう。
キャッシュレス決済対応はY!mobileに軍配
最近、スマートフォンでの利用が増加しているサービスが「キャッシュレス決済」、いわゆる「○○Pay」です。
日常的に「○○Pay」を決済手段とする人が増加し、スマートフォン業界でも、MNP先を決定する要因として非常に重視されています。
Y!mobileを運営するSoftbankは、キャッシュレス決済「PayPay」の運営母体でもあり、Y!mobileで利用することで非常に大きな優遇を受けることが可能です。
一方でauは2019年4月より「auPay」のサービスを開始していますが、UQモバイルユーザーへの優遇は特にありません。
UQモバイルかY!mobileか、選択に迷った時の決め方
UQモバイルとY!mobileを比較検討してきましたが、まだどちらを選択すべきか迷われる方は、自分のスマートフォンの使い方に合わせて選んでみると良いでしょう。
日常的に通話発信の多い方は、10分かけ放題が実質無料でかけ放題もオプション追加できるY!mobileが合っています。
データ通信量に毎月のばらつきが多い方は、余ったデータを翌月に繰り越すことができるUQモバイルの方が使い勝手が良いでしょう。
現在使っているスマホがauなら同じ回線を使える「UQモバイル」を、Softbankを使っているならSoftbankの回線を利用している「Y!mobile」を選択するというのもありですね。
UQモバイルはこんな人におすすめ
データ通信量の融通がきくUQモバイルは、よりスマートフォンを使いこなして、動画や音楽配信、ゲームなどにも利用したいと考えているヘビーユーザーよりの人に特にオススメできます。
また、現在auのスマートフォンを利用している人であれば、乗り換えが簡単になりますので、auユーザーにもオススメできます。
Y!mobileは料金プランがシンプルで、手軽にスマートフォンを使いたいライトユーザー向けと言えます。
また、現在ソフトバンクを使用しているスマートフォンユーザー向けでもあります。
子回線用のSIMを追加できるシェアプランがあるので、スマートフォンとタブレット等を併用したい人にもおすすめです。
回線速度と安定性はどちらも変わらない
上述の説明の通り、UQモバイルとY!mobileはともに大手キャリアのサブブランド的な立ち位置にある格安SIMです。
他のMVNOも格安SIMと比較した場合、通信速度と回線の安定性は段違いに高いことは言うまでもなく、その意味で、性能面では両者に大きな開きはありません。
UQモバイルとY!mobile、どちらをチョイスするかは、結局au回線を選ぶかソフトバンク回線を選ぶかの違いしかない、ということもできるでしょう。
後は、テータ容量の使いましのよいUQモバイルか、子回線のSIMを増やせてスマホとタブレットの同時運用ができるY!mobileか、という点もポイントとなりそうです。
楽天モバイルなら、iPhone 13を安くお得に購入できます。
「楽天モバイルiPhoneアップグレードプログラム」で購入すると、月々たったの2,058円。
最新のiPhoneが約半額で買えちゃいます!
さらに初めてのプラン申し込み&他社から乗り換え(MNP)なら最大30,000ポイント還元されます。
iPhone 13を安く買うなら今がチャンスです!